4~6月の給料で決まるのは税金ではなく…
4~6月の給料で税金が決まるという話がしばしば聞かれます。
だから残業をすると税金が高くなってしまうという話です。
結論から言ってしまうとこれは誤解です。
この時期に一生懸命仕事をして残業代が多く出ても、税金が高くなることはないです。
しかし4~6月の給料をもとに算出されるものもあります。
それは社会保険料です。
社会保険料とは健康保険料や厚生年金保険料、介護保険料をまとめたものです。
標準報酬月額とは何か?
社会保険料を決める計算式が合って、標準報酬月額×保険料率がそれです。
標準報酬月額とは、月収などの報酬をいくつかの等級で区分けします。
そしてその等級をベースに保険料が決められます。
この等級、一つ変わるだけでも負担する保険料額が大きく変わることもあります。
例えば月額38万円の人は26等級で41万円の人は27等級です。
しかし両者の支払う社会保険料額は年間で5万円以上も違ってきます。
標準報酬月額が決まるのは?
では標準報酬月額が決まるのはいつでしょうか?
いくつかポイントがあるのですが、その中のひとつが入社時です。
入社の段階ではまだ給料を受け取っていません。
ですから見込み額をベースにして決められます。
その他には定時決定時も重要なエッセンスの一つです。
これは年に1回決まった時期で、標準報酬月額が見直されます。
ここでポイントになるのが4~6月です。
4~6月に実際に支払われた報酬のトータルを3で割ると1か月あたりの報酬の平均額が出てきます。
これをベースにして保険料額が決められます。
ここから何時しか税金に話は切り替わって、4~6月に働きすぎると税金が高くなるという話になったようです。
標準報酬月額を抑えるのは得?
標準報酬月額を少なくすれば、社会保険料額は確かに低く抑制できます。
しかしだからといって得になるかというとそうではありません。
標準報酬月額は健康保険の手当額や年金額の算出のベースになります。
その他にも疾病手当金や出産手当金も同じ手法で計算されます。
月額を安く抑えてしまうと、いざというときにもらえる手当金も少なくなってしまいます。
年金などは老後の生活費のベースになるもので、セカンドライフの中で重要です。
また疾病手当金は病気やけがで働くことができなくなった時の支給されるものです。
療養が長期化した場合、この手当が生活費の重要な財源になることもあり得ます。
出産手当金は産前産後休暇中に支給されます。
子供ができると、いろいろなものが必要になって出費もかさむでしょう。
もし十分な貯蓄がなければ、この手当が貴重な資金源となる可能性もあります。
無理に報酬額を抑えるくらいなら、将来の手当のことも考えたほうがいいでしょう。