先物取引の種類
通常、商品を購入する際には、商品に対してその場で会計をして支払う、現物取引を行います。
先物取引の場合は、商品を購入する物や価格を先に決めておいて、一定期間が過ぎてから支払いをして現物を手に入れる仕組みとなり、将来的な取引を先に行うため「先物」と呼ばれています。
商品先物取引は難しい、大損をするというイメージがありますが、仕組みを理解して取引をすれば、リスクを最小限に抑えることができます。
商品取引所を通して行なわれる商品には、金・白金・銀・パラジウムなどの貴金属類や、ガソリン・原油・灯油などの石油類、ゴム類、大豆・小豆・とうもろこし・粗糖などの農産物(砂糖)があります。
例えば近々収穫される1kg100円の大豆を「2ヶ月後に100kg購入する」と取引を決めた後に、大豆が値上がりして150円になったとします。
そこで1kg150円の大豆を100kg欲しい、という人が現れた場合、商品取引所を介して売却をすれば100円で購入約束をした大豆を150円で売ることができます。
約束の期日に、売却額15,000円から購入額10,000円を引いた5,000円を受け取ることができるという仕組みです。
先物取引のメリット
先物取引は、現物がない段階で価格や数を決めておく取引のため、その後価格変動があったとしても取引可能になった時点の価格の影響が少ないというメリットがあります。
先に5万円で先物取引をしていた商品が、取り決め時期に8万円になっていれば、3万円の差益が出るということになります。
市場の動きを上手に読み解いて、将来的に値が高騰しそうな商品を予め先物取引しておけば、大きなリターンが見込めます。
それを「買いヘッジ」と言いますが、逆の「売りヘッジ」もあります。
売りヘッジは値が下がりそうな商品に対して「○ヶ月後に現在の価格で売却」という取引をします。
すると5万円の商品が3万円に値下がりしたとしても、取り決めた5万で売ることができますので2万円の利益となります。
売りヘッジでは、取引のときに現物がなくても、安くなった商品を取り決めた期日に購入して売ることが可能です。
先物取引のデメリット
先物取引にも当然リスクが存在します。
先に5万円で先物取引をしていた商品が、取り決め時期に下がっているリスクも当然ありますので、後に3万円になっていれば、2万円もプラスして支払うことになってしまいます。
また、先物取引は証拠金取引として10~30倍ものレバレッジをきかせることができますので、大きな損失が発生する恐れがあります。
さらに、株取引では手放さなければずっと保有することができますが、先物取引はどこかで必ず売らなければいけません。
売買のタイミングの判断が難しく、初心者には若干ハードルが高いかもしれませんね。